墓碑、その他の墓地内の施設の維持及び修復について
真田山旧陸軍墓地は、現在、国有財産となっていますが、国から無償貸付契約によって、大阪市がその維持管理を行い、納骨堂の改修工事、植栽の定期的剪定等の経費を負担されてきました。
そして、当会も大阪市に協力し、これまでも墓碑の修復や環境維持に努めてきましたが、当墓地の墓碑のほとんどが、材質的に脆い和泉砂岩で作られており、長い年月の経過とともに亀裂が入り、剥離・崩壊の危険にさらされているものも増加しています。手を拱いていれば、多くの墓碑の表面は崩落して墓碑銘の解読さえも不可能になってしまう恐れが強く、一基毎の墓碑銘文が明らかにする将兵の歴史こそが、全体の景観と合わせて真田山旧陸軍墓地の歴史的価値を構成していると言えます。
当会としては、この貴重な史跡ともいうべき真田山旧陸軍墓地の存在を1人でも多くの方に知って頂き、崩壊の危機に瀕している多くの墓碑の保存・修復を進め、次の世代に引き継ぐことを目的として、活動を進めてまいりました。
これまで当会として、昭和44年、昭和51年、昭和56年の3回にわたり墓碑修復(モルタルによる補修、鉄アングルによる補強等)を行い、また、平成13年には、木の根により倒壊寸前にあった約100基の墓碑の修復を大阪市に強く要望し、修復を実現いたしました。
化学的手法により、墓碑の剥離・崩壊を防止・修復することを京都造形芸術大学及び専門研究機関に依頼し、具体的な保存処置方法の確立を目指し、検討を進めています。 また、墓地内の環境整備には特に力を注ぎ、定期的に清掃・除草等を地域諸団体はじめ、多くの方々によるご奉仕を頂き、美観維持に努めております。
平成21年、22年には近畿偕行会のご寄贈により蜂須賀桜の植樹を行いました。